芸術家のくすり箱は、ダンサー・音楽家・俳優・スタッフの「ヘルスケア」をサポートし、芸術家と医師・治療師・トレーナーをつなぐNPOです。
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[食事力シリーズ]オフのときこそ「食事力」アップのチャンス!

 待ちにまった休暇を迎えた人、予想外のアクシデント(けがや公演の延期など)で、余儀なくお休みすることになった人など、"オフ"にもいろいろな事情があります。どんな理由であれ、まとまった時間がたっぷりととれたときこそ、心身をしっかりとメンテナンスして、スキルアップするチャンスです。
 「食」の面でも、普段はなかなかできないことにチャレンジして、「食事力」アップにつながる時間にしてみませんか?

 芸術活動を支える「食事力」の基本(3つ)については、「夜型でも大丈夫! コンディショニングは自分流」でお伝えしています。今回のコラムでは、その基本の1つである「心を豊かにし、感性を高める食事」の実現につながるポイントを中心にお話します。

オフのときにやっておきたい2つのポイント

1."食行動"の範囲を広げる

 忙しいときには、ゆっくりと食事をとることもままならないもの。そこで、時間がとれたときこそ、ゆったりと食事を通して、行動範囲やコミュニケーションの幅を広げてみては?
 食を通じた新たな発見やコミュニケーションが、表現活動の広がりにつながるかもしれません。

【例】

□ 忙しいときに会えなかった知人と会って、食事やティータイムを楽しむ。
□ 新しいお店(飲食店、カフェなど)を開拓する。
□ お天気のよい日には、アウトドア(公園など)で食事をしてみる。
□ 旅行に行って、地元の食事を味わう。帰宅してから楽しめる食材などを、自分へのおみやげにする。
□ 時間や手間をかけて料理をしてみる。
□ 気になる食材を試してみる。

2."食環境"をととのえる

 最近は、おそうじ術や片づけ術などの本が次々と出版されて、ブームとなっています。お洋服や本などの片づけだけでなく、食環境も見直して、リフレッシュしてみませんか。

【例】

□ よく使う食器(ごはん茶碗、箸、コーヒーカップなど)を、気に入ったものに新調する。
□ テーブルまわりを片づけて、きれいにする。
□ ストックしておくと便利な食材(缶詰、乾物など)を買っておく。古い食材は、捨てる。
□ ゆったりとリラックスして料理をしてみる。


食事のほかにも......


オフの前から"やりたいことリスト"をつくる

 もちろん、オフのときは「食」のことのほかにも、やりたいことはいろいろありますね。オフに入る前から「時間がとれたときにやりたいこと」をリストアップしておくと、忙しいときにもモチベーションはあがるもの。「○○まで、ひとり旅に行く」「エステに行く」「デンタルケアに行く」「お気に入りのお酒を飲む」「本番があるときにはできなかったヘアスタイルにする」......など、手帳やスマホに、メモしておき、いざオフになったらどんどんトライしてみましょう!
 例をあげたらキリがありませんが、オフのときにしかできないことに没頭する時間は、パフォーマーとしての新しい可能性や発想、インスピレーションを得るきっかけになるでしょう。

身体のヘルスチェック&メンテナンス

 また、健康診断でヘルスチェックをする、不調を感じる部分のケア(マッサージやリハビリ)をじっくりと受ける、など身体のメンテナンスをするにも適した機会です。
  リハーサルや本番での体力不足を感じる方は、トレーニングに励んでもよいでしょう。

ストック食材で新メニューにチャレンジ!

 長期の保存ができる缶詰や乾物は、ストック食材として重宝します。スーパーの安売りや、100円ショップなどで、みつけたときに買っておけば、夜遅く帰ってきたとき、買いものに行けないときでも、自宅に何か食べるものがあるのは安心。ストック食材で、栄養価が高く満足感も得られる食事が簡単に作れます。
 忙しいときの食事の満足度アップに欠かせない、お助けレシピをご紹介します。作ったことのない料理、まずはオフタイムに試してみてはいかがでしょうか。
ストックしておくと便利な食材

缶詰

ツナ缶、サバ缶、サケ缶、オイルサーディン缶、コーン缶、焼きとり缶、トマト水煮缶など

乾物

切り干し大根、春雨、とろろ昆布、塩昆布、ひじき、麩など

風味アップ調味料

すりごま、焼のり、ごま油、オイスターソース、ゆかり、アンチョビ、など


 超カンタン!ストック食材お助けレシピ 


【焼きとり親子煮】
 焼きとりがおつまみからメインデッシュにランクアップ。

●材料(1人分):

焼きとり缶 1缶、長ねぎ 1/3本、卵 1個、水 1/3カップ、しょうゆ 小さじ1、

●作り方:

①長ねぎは斜め薄切りにする。卵は割って溶いておく。
②小さめのフライパンまたは鍋に水、しょうゆ、焼きとり缶を入れ、中火で煮立てる。
③長ねぎを加え、2~3分煮る。
④卵をまわし入れ、半熟状に火をとおす。好みで七味唐辛子をかける



【春雨にらスープ】
 オイスターソースは旨味の隠し味。春雨プラスで小腹も満足。

●材料(2人分):

にら 1/2束  春雨(乾燥)25g   オイスターソース 大さじ1/2

●作り方:

①にらは1~2cm程度に切る。
②鍋に水500ml、春雨、オイスターソースを入れて火にかける。
③沸騰したら弱火にして蓋をし、3~4分煮る。
④春雨が透明になったらにらを加え塩、こしょうで味をととのえる。
⑤仕上げにごま油を少々入れ、香りをつける。



【ピーマンの塩昆布和え】
 塩昆布は調味料にも早変わり。

●材料(2人分):

ピーマン 2個  塩昆布 ひとつまみ

●作り方:

①ピーマンは縦半分に切り、へたと種をとってからせん切りにする。
②ポリ袋にピーマンと塩昆布を入れてよく和える。
③冷蔵庫で30分ほど味をなじませる。

★スーパーのレジ横にあるような、使い捨ての食品用ポリ袋があると、洗い物が少なくなって便利。



【長芋梅風味】
 さっぱりシャキシャキ梅風味。

●材料(2人分):

長芋 5~6cm分、砂糖 大さじ1、酢 大さじ1、ゆかり 小さじ1、塩 少々

●作り方:

①長芋は皮をむき、適当な大きさに切る。
②長芋をポリ袋に入れ、瓶の底などでたたいて好みの大きさにする。(このとき、空気が抜けるように袋の口は軽くあけておく)
③ポリ袋に砂糖、酢、ゆかりを入れて和える。



【デザートトマト】
 冷蔵庫のトマトがデザートに。皮をつるんとむいてちょっとおめかし。

●材料(2人分):

ミニトマト 10個、砂糖 大さじ2

●作り方:

①トマトはヘタをとり、ヘタがついていたところに、×印に軽く切り目を入れる。
②鍋に湯を沸かし、トマトを入れて15秒ほど茹でる。
③すぐに水に入れて皮をむき、ボウルに入れる。
④③に砂糖をかけて冷蔵庫に2~3時間ほど入れ、よく冷やす。翌日でもOK。
お好みでレモンやリキュールをかけてもおいしくいただけます。


執筆:《パフォーマンス 食サポート》チーム(岸昌代、吉田美代子)  制作:NPO法人芸術家のくすり箱 [2015.8作成]