芸術家のくすり箱は、ダンサー・音楽家・俳優・スタッフの「ヘルスケア」をサポートし、芸術家と医師・治療師・トレーナーをつなぐNPOです。
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現場でやるべき応急処置・PRICE

運動中のケガ

ジャンプの着地の失敗など、運動中、身体に大きな力が1回かかったことでおこる、捻挫や骨折、肉離れなどのケガを「スポーツ外傷」といいます。

スポーツ外傷を負ったときの応急処置は、損傷をできるだけ少なくするように、病院やクリニックに行くまでの間に行う処置のことです。基本は「PRICEの処置」と言います。適切な応急処置はケガの程度を最小限にとどめ、早期治癒につながります。
ただし、意識消失や頭部・頚部損傷、大量出血、けいれん発作があるときはむやみに動かさず、すぐに救急車か医者を呼びましょう。

PRICEの処置

包帯などで軽く固定と圧迫を行い、挙上することで腫れを抑えることができます。腫れが少なければ少ないほど、回復が早く、結果的に早期治癒・早期復帰につながりますので、よく覚えておきましょう。

捻挫かなと思っていても骨折していたら大変!応急処置だけでなく、早めに医師の診察を受けることも適切な処置のためには大切です。

「PRICE」の実際 ー早ければ早いほど、PRICE(治療費)が安くなる!?ー

Protection(保護)

患部を動かすことで悪化させることを防ぐことが目的。そのままの形で、シーネ(固定用具・・段ボールや厚紙でも代用可)や三角巾で関節が動かないようにします。

Rest(安静)

腫れや血管・神経の損傷を防ぐことが目的。 ケガをしたのに動いていると内出血や異常にでる体液も多くなり、後になって腫れや痛みが増してしまいます。

Ice(冷却)

細胞壊死と腫れを抑えることが目的。 ビニール袋やアイスバックに氷をいれて患部を冷やします。15分くらい冷却したら(患部の感覚がなくなったら)はずし、また痛みがでてきたら冷やす。これを繰り返す。直接氷をあてず、アンダーラップを巻いたり、氷の入ったビニール袋をタオルでくるんであてます。寝るときは、アイシングはやめますが(凍傷防止)、1〜3日は続けます。

Compression(圧迫)

内出血や腫れを抑えることが目的。 テーピングや弾力のある包帯でコロコロ転がす程度に巻きます。つま先や指先が紫になっていたり、痛みがあったら強く巻きすぎです。

Elevation(挙上)

腫れの軽減を図ることが目的。 患部を心臓より高い位置に挙げます。長時間続けられるよう、台やクッションなどを使って工夫しましょう。

監修:瀬尾理利子(横浜市スポーツ医科学センター 整形外科医) 制作:NPO法人芸術家のくすり箱  [2009.3作成]