パフォーマーに役立つテーピング
「跳ぶ、着地する、捻る」という動作にかけてはオリンピック種目に決してひけをとらないパフォーミング・アーツ(ダンス、演劇等)では、ケガ(急性外傷や慢性障害)が数多く発生します。ケガは発生直後の応急処置やその後のリハビリテーションによってきちんと管理されるべきですが、テーピングも管理方法の一つです。一般的にテーピングは関節を固定する目的で行われますが、細やかな感覚が必要なパフォーマーには、ケガの悪化を防ぎながらも、なるべく動きを妨げないテーピングの方法が役立ちます。ここでは、そのようなテーピングに適した柔らかいテープによる、足首と外反母趾のためのテーピングを紹介しましょう。
自分でできるテーピング 2. 外反母趾のテーピング
このテーピングは外反母趾による痛みや違和感を覚える場合に試してみると良いでしょう。使用するのは足関節と同じ種類のテープですが、やや強く引っ張りながら貼るのがコツです。
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25mm幅のテープ(なければ50幅mmのテープを縦にカットして使用する)を約7cmにカットし、強く引っ張りながら親指の外側に貼ります(外反した親指を内側に引っ張る)
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次に、同じテープを約15cmにカットし、親指の内側から外側へ下に回しながら、かつ親指を手で外側に回しながらテープを巻きつけ(1)
足の甲へ引っ張り上げて(2)
貼ります(3)(内側に回っている親指を矯正する)
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必要に応じて手順1や2を繰り返すことも可能です。
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最後に、これらのテープが剥がれないように、38mm幅のテープを足の指の関節にかからないように気をつけて軽く巻きます。
POINT!
イラスト(2)の右手のように、本来あってほしい方向に親指を軽く回したり引っ張ったりしながら巻くと効果的に巻けます。
動画解説はこちら
こんな時は病院へ!
テーピングはあくまでも応急的な使い方に限定されます。長期間にわたって痛みや不安定感がなくならない場合、あるいは急性の大きなケガをした場合は必ず整形外科の診断を受けましょう。思わぬ問題が隠れていることがありますし、早期発見、早期治療にまさるものはありません。
制作:NPO法人芸術家のくすり箱 文:中村千秋(早稲田大学スポーツ科学学術院准教授) [2010.8作成 / 映像2012.2作成]