怪我予防とコンディションチェック
芸術家のカラダは、すばらしいパフォーマンスの陰で気づかないうちに酷使され、ケガや故障をひきおこしてしまうことがあります。だからといって、「職業病だから仕方がない」とあきらめてはいませんか?
そこで、ぜひ実践したいのが、ウォーミングアップ。演奏や踊る前にカラダに働きかけることで、よりスムーズなパフォーマンスや、怪我や故障の予防に効果的です。
まずは、コンディションのチェックをかねて、カラダをほぐすウォーミングアップ。この時点で調子が悪いことに気がついたら、無理をしないように調整することも大切です。
首から手のウォーミングアップ
POINT
- 伸ばしたり動かしたりする部分を意識しましょう(イラスト赤線の部分)
- 呼吸は止めずゆったり続けましょう
- ストレッチは勢いをつけたり、急激にのばしたりせず、"イタ気持ちいい"ところで10秒キープしましょう
- 左右バランスよく行いましょう
1. 首
頭を横に倒し、手を頭の上にのせる。押さずに、頭と手の重さを利用する。肩はあがらないように。
斜め前と斜め後ろも①と同様に。
ゆっくり首を回す。真後ろは強く倒さないように。右回し、左回しをそれぞれ3回づつ。
2. 肩
指先を肩にあて、肩を大きくまわす。前回し、後ろ回し各10回。肩甲骨も大きく動くように
壁に横向きに立ち、手を水平にあげて壁にあてる。手と足の位置をかえずに肩を前に押し出す。
3. 腕〜手
腕を身体にそってのばし、肘の上あたりを反対の手で押す。
右手を挙げ、肘に左手をあて下へゆっくり押す。
手を肩の高さに挙げ、手のひらを正面にして指先を下に向け、反対の手で手のひらを手前に押す。
3の姿勢で手のひらを内側にして、手の甲を手前に押す。
4. 指
手首と指の力を抜いて20秒振る
力を入れて親指を中に手を握り、パッと開く。10回繰り返す。
5. 背中
指を組んで、手のひらを天井に向け、背中をのばす。
ストレッチは、練習の最後に行うと、疲労回復にも効果的です。
パフォーマンスの前後のストレッチを習慣にして、ベストパフォーマンスを!
制作:NPO法人芸術家のくすり箱 監修:瀬尾理利子(横浜市スポーツ医科学センター 整形外科医) [2009.12作成]